サンプル・バルブをいっぱいに開けて、水を2、3分間流しっぱなしにします。水がはねかえらずにボトルに入るように水流をゆるめます。タップの清浄さに疑問があるときには、サンプリングする前に水栓に次亜塩素酸ナトリウム液(100 ml ブリーチ/l)をかけます。次亜塩素酸ナトリウムで処置した後はさらに2、3分間水を流しっぱなしにします。注:下の特殊手順を参照。
オートクレーブ滅菌した QD プラグをサンプリングする QD ソケットに挿入します。細菌検査のためのサンプルを集める前に、別の容器に 500 -1000 ml の水を採集します(この水は捨てる)。
飲水バルブとラック・ドレーン・バルブ
サンプリングする前にバルブの外側を100-ml ブリーチ/L 水の溶液で消毒します。各飲水バルブを作動させ、あるいはドレーン・バルブを開けるためには滅菌した道具を用います。最初の 50-200 ml の水を捨ててからサンプルを採集します。ラック・ドレーン・バルブからサンプルを採集する前に、 50-200 ml の水を別の容器にフラッシングして捨てます。
目次
はじめに
細菌を定期的にモニタリングすることによって実験動物の飲水の水質に関して重要な情報が得られます。サンプル水は大腸菌、生菌数(標準平板菌数)あるいは特定の病原菌について検査することができます。細菌学的解析のためにサンプル水を採集するときには、コンタミネーションを避け、検査したい水を代表しているサンプルを採取するために特殊な手順を必要とします。以下のガイドラインが、貴施設の自動給水装置からサンプルを採集するための SOP を作成するときにお役に立ちます。
図1.配管からサンプル水を集めるためにオートクレーブ滅菌したサンプル・ポート (EI P/N 1500-8805) を QD 内に挿入する。
サンプリング回数
毎週、毎月、あるいは年4回のサンプリングが一般的です。サンプリング・プログラムをスタートするときには、最初はできるだけ頻繁にサンプリングを行い細菌数の幅やバラツキを調べます。
適当なサンプリング箇所
水処理(たとえば RO あるいは濾過)の前と後
サンプリング手順
分析室はサンプル容器と手順を承認し確認しなければなりません。以下の一般的ガイドラインは Standard Methods for the Examination of Water and Wastewate を参考にしました。
保持時間と温度
不測の変化を避けるためにできるだけ速やかに分析を開始します。採集後1時間以内にサンプルを処理できない場合は、検査室への輸送中に入れておくためにアイス・ボックスを用います(温度を 10 °C以下に保つ)。推奨できる最長輸送時間は6時間ですが、これが不可能なときでも 24 時間を越えてはいけません。すべてのサンプルの貯蔵時間と温度を記録し、データを解釈するときにこの情報を参考にします。
図2.サンプル採集のために滅菌した道具によりこの飲水バルブを作動させる。
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自動給水装置からのサンプリング
なぜ特殊な手順が必要か?
飲水をサンプリングするための標準手順ではサンプルを採集する前にタップを2-5分間開けてフラッシングすることになっています。この操作によってタップが清浄となり、サンプルの細菌汚染の原因となることがありません。しかし、自動給水システムにおいては、QD または飲水バルブをを2-5分間フラッシングすると、サンプリングの時点でサンプルは室内配管あるいはラック・マニフォールドの中の水を代表しなくなってしまいます。以下の手順によって、サンプル・バルブのフラッシングをある程度可能にしながら、サンプリング時点において動物室またはラック中に存在する水を捕捉することができます。
室内配管
オートクレーブ滅菌した QD プラグをサンプリングする QD ソケットに挿入します。細菌検査のためのサンプルを集める前に、別の容器に 500 -1000 ml の水を採集します(この水は捨てる)。
飲水バルブとラック・ドレーン・バルブ
サンプリングする前にバルブの外側を100-ml ブリーチ/L 水の溶液で消毒します。各飲水バルブを作動させ、あるいはドレーン・バルブを開けるためには滅菌した道具を用います。最初の 50-200 ml の水を捨ててからサンプルを採集します。ラック・ドレーン・バルブからサンプルを採集する前に、 50-200 ml の水を別の容器にフラッシングして捨てます。
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参考文献
American Public Health Assoc. 1992. Standard Methods for the Examination of Water and Wastewater, 18th ed., Washington D.C.